報酬と想い

岡村 周治

岡村 周治

マウンテンバイク(MTB)を軸にいろんなことをしています。
トライアルという競技の出身です。
MTBやトライアルのテクニックを使ったパフォーマンスをします。
テクニックスクールを開催しています。
時々、スタントなどもしています。
自転車イベントの企画・運営の経験も豊富です。
イベント進行MCなどもします。
要するに、自転車を軸にした何でも屋みたいなものです。
あと、面白そうだなと思ったことはいろいろしています。
よろしくお願いします。

http://route-okp.com/

こんな記事を読んだ

 

>>アパートメント:どうして彼らは「お金」を払いたがらないのか

apartment-home.net/column/201504-201505/okadaic06/

 

読んで思い出したことがある。

 

相当昔のことだけど、どこだったかの大学の学祭に出てくれ、報酬はない、でも自転車で盛り上げることは自転車の今後の普及にとってもよい事のはずだ。という申し出をメールで受けた。実行委員会の学生だったとおもう。

 

でも、ぼくはその学祭の全容を知らないし、自分がどの程度の「労働」をしなくてはならないのかもわからない。

そして「僕」がそれを受けるだけの必然性を感じない。他の人ではダメなのか。

僕は、この業界の一部の人間には知られているけれど、世間一般でいえば知名度などない。

僕はそのころ既に自転車に乗る事を仕事にしていたし、イベントシーズンである秋の休日をそうした予定で埋めてしまうことは、仕事の機会の損失がこわい。

 

でも、そういう仕事にしている人間に無償で出てくれと言ってくるからには僕が納得できる何かあるだろうと、とりあえず会って話をきこうとしたけど断わられてしまった。

僕が望んだのは「仕事をうっちゃってでも動こうと思えるだけの理由」だった。

その理由が聞けるなら、話を聞く為にそちらに出向いても良いと思っていたし、そんな話が聞けるなら出てみたいとも思っていた。

 

でも、会うことは頑なに断わられ、電話で話した。

上のようなことを話し、僕は「僕が動くだけの理由は?」とちゃんと理由を添えながらもしつこく訊いた覚えがある。

むこうはそこから「条件」や「お金の話」を持ち出されたけど、仕事の報酬としては受けとれない金額だったし、その時点でもう僕の関心はそこではなかった。

 

結局、納得する材料はもらえなかった。

 

その後、会う事もなく平行線だなぁと思ってメールのやりとりもやめて一ヶ月ほど経った時に「どうしてへんじくれないんですか!もういいです!」というようなメールがきた。

このやりとりが途絶えたことはこうして今も思い出すくらいに申し訳なく思っているけれど、でもこちらの意図を汲めず、最終的には「条件」だけで説得しようとする姿勢に辟易としてしまったんだよ。

 

そこに、最初に話してくれた「想い」はあったんだろうか。

あなたの言う「盛り上がる」とは「普及」とは具体的にどういうことなんだろうか。

心の中に「ダメでもともと」という発想はなかっただろうか。

僕はそのやりとりの中で少なくない時間と労力を費やしたよ。
それに対する何かを払えというつもりはないのだけれども、少しはその意図をくみ取って欲しかったと思う。
想いで人を動かそうとするならば、その動かそうとする相手の想いも汲み取っていかないと動いてはもらえない。
それは報酬を支払うよりも、よっぽど困難で、よっぽど手間がかかり、自分の神経も磨り減らすことでもあると思うのだよ。

ちなみに、報酬をもらえればどんな事だって言われた通りにする訳じゃない。

報酬があるからこそ、そこに自分がいる意味を置いておきたいと思ってる。

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