web画像より拝借(@tete)
先日遅ればせながらドライエイジングビーフを食する機会を頂いた。
昨年辺りから気にはなっていたけれどそんな機会もなく時が経っていたが、良い機会なので一度ドライエイジングの理論と歴史を調べてみた。
ん〜〜〜、これは味わいたいというよりも自分の本職の料理の中で最重要にあった『保存』と『熟成』の観念で新たなヒントと独自の保存理論に改良加えれるのでは!と調べれば調べる程気になってたまらなくなっていったのでした。
食材(野菜・肉・魚など生もの)は『新鮮』というキーワードで良さを優遇されるが、調理をするには新しい物をすぐすのまま出せば良いとは限らない。
魚は釣ってすぐ、それこそ船上で食べるから美味い!透き通ってて美味い!というイメージがあるがこれは脳で美味いと思っている部分が多い。
魚にも熟成はある。死後数時間後に増加されるイノシン酸の作用が大きい。グルタミン酸も旨味だがグルタミン酸は時間の経過はそんなに変わらない。
イカや白身魚が透明だと新鮮で美味しい!とはやはり脳で美味しく捉えてしまっている。
そういう意味で適した時間の熟成を与える事により舌での本当の旨味は出てくる。
ただ、『美味しい!』と思うのは個人の経験や重視する事に寄って変わるので否定はしない。固いものが美味い、肉汁がたくさん出る物が美味い、見た目で美味い、それぞれである。
それを踏まえても料理人としては『保存』『熟成』にはひと際関心がある。
熟成と腐敗と発酵と酸化は全く違うので気をつけている。
話を戻して、ドライエイジング。簡単に言えば昔の洞窟や地下などで保存を第一目的として行なわれて来た保存方法である。ただし干物ではない。ここは大きな違いなのです。
私どもがシンプルに大切に意識と手間を注いでいるのはドライエイジングに対して『ウェットエイジング』である。真空保存もその一つだが関わるキーポイントとしているのは、湿度・酸化防止・振動減少である。
小さな店でもこれを有効に使えばグッと美味くなる。ロスも減る。*大きな店なら効果は大きい(美味しくなる効果が大きいのでなく失う物を減らせる効果)
ドライエイジングは湿度・風の流動・温度・時間この辺りをキーポイントにしている。これは現代のそして飲食店で忠実に現実化して使用するには条件が難しい。なんちゃっては出来るけど。
結果論ですが、土地の気候が合っていれば洞窟は最適だったでしょう。
web画像より拝借
ドライエイジングの一番の目的はざっくり言うと、、というか私が気になった点は、自由水を抜くコト。
自由水は魚でも腐敗や酸化を避ける為に出来るだけ気にして処理してます。
ドライエイジングは短絡的に出てくる自由水を排除するより手法により排除するコトがオモシロい。もちろん生肉からすると歩留まりは悪いから物理的ロスも多い。おそらく30%以上ロスでしょう。加えてハードの設備費・時間的経費ロス、これらが大きいのでまだまだ高価なお肉となっています。
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でも今のワタクシどもの『保存と熟成』の意識と手間にドライエイジングの理論から取り入得れるヒントがたくさんある気がしてたまりません。
まあそんな事は招待されたレストランに行く迄で着いてしまったらワインとバカ笑いだらけの飲み会でした〜。
でも焼かれたお肉は幸せを感じる旨さでした!
teteさんありがとうございました!
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